コンセプトを同じくする製品との比較
初心者用もしくは開発言語不慣れな人用のツールという点で GameMaker:Studio (以下 GMS ) と Clickteam の MultiMediaFusion2/ClickteamFusion2.5 (以下 MMF/CF25 ) の「製品コンセプト」は共通している。
両ツールとも「オブジェクト指向」だがツール内部で扱われる「オブジェクト」の概念が大きく異なり開発手法も異なる。
Clickteam 製品はあくまでも開発言語に頼らない開発ツールというコンセプト。GM:S は伝統的にスクリプト言語による製作もサポート、言語を使った標準的開発手法を選択肢から排除していない。
GM:S 概要
言語知識の必要性は GMS の方が要求されるが一般的な開発概念と比較しても大きな逸脱や制約が少なく学習は容易、すでに言語知識があればゲーム・アルゴリズム開発に速やかに専念できる。変数は動的型付け。スクリプトを用いることで発生する最適化の弱さや処理の遅さは YoYo Compiler ( YYC ) で補う。
MMF/CF25 概要
特殊なループ処理やイベントの構造化などツールの独自仕様色が濃い。簡単な動作を簡単に付けることのできる利便性やイベント用エディタ機能が最大の強み。言語知識が不要とされるものの、ツールの独自仕様を覚えるために多くの時間を労し、ハードコーディングかつガラパゴスな開発テクニックが必要とされる。伝統的にデバッガは弱く複雑な処理はデバッグ困難。
MMF/CF25 のエディタ
MMF/CF25 に搭載されているフレームエディタ
とイベントエディタ
という 2 つの偉大なエディタの存在がツール最大の特徴。これらエディタを真似た他ツールが複数あり、MMF/CF25 の操作性や仕様は「オーサリング系開発」のデファクトスタンダードを形成している。このため MMF/CF25 の独自仕様やテクニックは他ツールでそのまま応用できる場合がある。
次のページではそれぞれのツールに搭載されたエディタ機能について比較をしていく。