コンセプトは同じだが開発手法がまったく異なる Clickteam 製品の MultiMediaFusion2/ClickteamFusion2 ( 以下 MMF/CF25 )と YoYo Games の製品である GameMaker:Studio ( 以下 GMS )との比較記事。その4。

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オブジェクトの比較

MMF/CF25 のオブジェクトはオブジェクト毎に機能や役割が決まっていて、アクションもコンディションも各オブジェクトで異なった専用設計となっている。

MMF/CF25 は本体に無い機能が全て拡張 DLL で提供され、拡張機能自体をオブジェクトとも呼ぶ。オブジェクトの追加とは拡張機能の追加と同義で、拡張機能はフレーム毎に追加が必要となる。

例えば文字列描画を担当する String Object やスプライト機能を提供する Active Object など、これらは専用コンディションとアクションとエクスプレッションとプロパティとを持ち、各 objects を各フレームに配置しない限り文字列もスプライトも同時には表示できない。

つまり MMF/CF25 では文字列とスプライトを同時に描画するために最低 2 つのオブジェクトをフレームへ配置する必要性がある。

MMF/CF25 と比較した場合、GMS は一つのオブジェクトで文字列とスプライトの描画が可能。あるいは、もっと万能な機能と役割を一つのオブジェクトに与えることができるオブジェクト設計の自由度を持つ。

GMS ではリソースエクスプローラからオブジェクトを追加した時点で、各オブジェクトに機能的な差は無く明確な役割もまだ無い。

GMS におけるオブジェクトは必要に応じて文字列描画などをアクションとして設定したりスプライトの表示が可能。つまり、機能や役割は後から自在に追加が出来、本体が提供する機能を元にオブジェクトの役割を独自に設計して組み立てることなどができる。

その他

GMS は豊富な関数群を持ち、これらが標準機能として提供されている。エクステンション(拡張)にあまり多くを頼らず、標準機能だけで多くのゲーム動作が実現可能。

マルチプラットフォーム動作を実現するためには Windows API への依存を減らす必要があり、GMS は古い API への依存が無い分、外部出力機能は安定している。MMF2/CF25 は Windows API への依存が多すぎるため、この問題の完全解決は次期バージョンへの課題として常に持ち越しされてきた。

GMS の標準である Draw 機能は CF25 の PC 用ビルドでのみサポートされている Surface object に相当するが、CF25 はこれを標準もしくは外部出力機能で利用できない。

MMF2/CF25 ではシェーダの互換性は各エクスポータで対応が異なる。Windows 用である HLSL への依存が強すぎる傾向があり、互換性を確保するのは難しい現状となっている。

GMS は基本的なシェーダ効果については GLSL ES を利用することで一定の互換性を確保できており、マルチプラットフォーム向け開発ソフトとしての完成度では CF25 よりも優れている。

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