現代のコンピュータは二進法ですが、真空管を使った汎用の電子計算機(現代のコンピュータに近い)の時代には十進法が採用されたこともあります

※ ENIAC(Electronic Numerical Integrator and Computer)/ 1946 年

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参考 (PENN):Technical Description of the ENIAC

参考 (arl.army.mil):The ENIAC Story

参考 (Wikipedia/English):ENIAC

参考 (www.infonet.co.jp):最初のコンピュータ

二進法はライプニッツ(1646〜1716)によって数学的に提唱・確立されましたが、装置と二進法およびブール代数の組み合わせが生み出す有用性が発見される前の二十世紀前半まで、アナログ式計算機(歯車を使った測定器・微分解析機など)が最先端技術だった時代には二進法はまだ注目されていません。

1854 年、ジョージ・ブールによって創案されたブール代数が数学的にも再発見・再評価されるようになったのは 20 世紀に入ってアナログ式の微分解析機など計算機が実用化され成功を収めた以降のことです。

0 と 1 しか符号の無い二進法で装置(デジタル計算機・論理回路)を作った場合の実用性については、 1930 年代から相次いで発表されるようになった研究論文(クロード・エルウッド・シャノンが有名)によって理論的な根拠が与えられるようになっていました。

二進法における数学的な表現範囲は当初懸念されていたよりも圧倒的に広く、人間にとって直感的では無い二進法ではあるが装置や論理回路を作る場合の優位性・有用性も確実となったため以降はデジタル計算機では二進法の採用が相次ぎました。

ブール代数における論理演算を組み合わせれば四則演算を全て実現できるためコンピュータを実現するためには十進法である必然性も無く、だから ENIAC より更に早い時期に作られた初期電子計算機(1942 年・アタナソフのABC/1943 年・イギリスの暗号解読機コロッサス)もやはり二進法を採用、十進法を採用した ENIAC の方が数の扱いについては異端的です。

二進法を用いるメリット

計算機としての実用性以外にも経済性や後々重要になる装置の大量生産性では、工学的な取り扱いが複雑になる十進法よりも二進法で作る方が楽だったし優れていました。

ここから引用(Wikipedia

コンピュータの内部で数値を表現する場合、十進法を用いると 0 から 9 の十種類の数字に対応する十種類の内部状態を区別しなければならない。これは機構を複雑にするので、現代のデジタルコンピュータは通常は二進法を採用し、0 と 1 のみによって数値を表現している。

ここまで引用

演算では掛け算の実装が簡単になる点もメリットとして挙げられますが、一番大きいのはノイズ(雑音)に強いという点です。

二進法で作ったデジタル回路の場合、電気的な表現は ON・OFF 二種類しか無いため実装が簡単、電圧の閾値に幅を持たせることができるため雑音(ノイズ)に強くなります。

デメリットとしては二進法だと扱う桁の数が大きくなってしまう、人間には直感的ではなく分かり難い点などが挙げられます。しかしメリットのほうが大きかったため、現代コンピュータの世界では二進法の採用が一般化しました。

参考(特許庁/技術分野別特許マップ>機械):電気17 CPU技術

参考 (Webで学ぶ 情報処理概論):なぜ2進数なのか

参考 (itpro/矢沢久雄):論理を「1」と「0」で表す「ブール代数」を理解する

参考 (itpro/矢沢久雄):ゼロから学ぶ2進数

参考 (NAKAGAWA Masao):ブール代数と論理演算

参考 (Wikipedia/English):Binary number

参考 (Wikipedia/日本語):二進法

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