Leica SL 用 レンズアダプターリング購入、その2


ライカ SL 用マウントアダプタの購入と使用感など


ライカ SL はドイツの光学機器メーカーのカメラ部門/名門にして古参である現ライカカメラAG が 2015 年に発売した、ライカとしては初の 35mmフルサイズセンサーを搭載したミラーレス・デジタルカメラ。

高額なカメラなのだけど実は同じ価格帯の撮影機材だったら今は日本メーカ製品の方が総合ではもっとも優れている。レンズ資産を事前に持っていない人が機材をライカで一から揃えるとしたら、これはあまりにもコストパフォーマンスが悪いすぎる。

カメラとしてのライカに求められるのは品質以外にブランドと夢とステイタス。

ライカを真剣に欲しがるアマチュアはレンジファインダーを知ってるオールドユーザー、日本では金を持ってる老人達。要するにカメラ道楽をこじらせた方々は金の使い道を考えた結果、カメラはずっと憧れだったライカを買います。少なくとも筆者は自分の金でこんなんは絶対買えません。

それは昔々

カメラもレンジファインダー方式が主流だった時代は間違いなくライカが世界最高峰だったし、実際にオールドライカを手に持ってみると取り憑かれるような魅力があることは分かります。レンジファインダーの名機 M3 とかは、登場した時代を考慮すると完成度の高さがほとんどオーパーツ並。

しかしその後 35 mm 銀塩フィルムカメラの主流が一眼レフへ移行すると、レンジファインダーでの成功体験が枷となったのかライカは流れに乗り遅れた。

現ライカはカメラ部門と顕微鏡部門と測量機器部門の三つに分かれており、資本もそれぞれ違う。

ライカカメラは過去に様々な日本企業と提携したり技術協力契約したりで日本の光学機器メーカとの関係も深く、双方が多大な恩恵を受けている。ライカのデジカメに関する基本技術はパナソニックと技術提携した時の影響が強く、一時期ライカのコンパクト・デジカメ買ったらこれまるっきり LUMIX (ルミックス) やん、ということがあった。でも値段は LUMIX の倍以上してた。これがブランドであると納得しながらも、その頃発売されたライカのデジカメを触りながら筆者が思ったのは「昔はすごかったのだろうけれど、今は大したことねぇなこれ」であった。

それからまた時は流れ

ライカのデジカメもかなり良くなってきた。ライカ SL は筆者のお気に入りだ。しかもライカ SL はマウントアダプタくっつけて、古いライカのレンズなどを装着して遊ぶこともできる。


ただしオールドレンズ使うのならば普通はライカMタイプ240 買って遊ぶ方が効率的です。

参考:ライカMで本領発揮するオールドレンズたち

曽祖父様いわく、ミラーレスなのにでかくて糞重い黒いライカ SL にレンジファインダーのオールドレンズ載せるのはバカのすることだと言われましたが、いいんです。買って使わないで押入れ(鍵付きの防湿庫)に放置する方がもっとオカシイと思います。

それによく調べるとバカなりに理論武装は可能で、ミラーレスだしライブビュー機能もあるからレンジファインダー用のレンズを取り付けて使う場合に享受できるメリットも複数あるの。特にライカが出したミラーレスなので、ライカのオールドレンズとの組み合わせは非常に相性が良い。

抜粋ここから

  • ライカSLの保護ガラスは他のミラーレス機よりも薄く、M型レンズの光学性能をより引き出せる
  • ライカSLはフランジバックを正確に出して作られている為、M型レンズの距離指標の目測でピントが正確に合う

ここまで
参考:『ライカで撮る、ライカを知る。SLとM』

ミラーレス方式のデジタルカメラは一眼レフとは構造が違うから、フランジバックの距離が短くなるため、一般論としてレンジファインダー用のレンズを使う上で一眼レフカメラより相性が良い。

ライカ純正の SL 用マウントアダプタもすでに発売されているが、純正は高いけれど電子接点が無いマニュアルレンズを使う場合には加工精度を出せるしっかりしたサードパーティ製があるから、それらと比較で大きなアドバンテージもまだ感じられない。例えば純正アダプタにはマクロヘリコイドが付いている製品が無い。

レンジファインダーは現代のカメラと性能で比較すると接写性能の弱さがあげられる。しかしライカ SL はミラーレス機なのでフランジバックはレンジファインダーより更に短く、ここにマウントアダプタを挟む余地が十分にある。マクロヘリコイド付きならレンズの基本性能より被写体に寄れるので、近接撮影機能が強化される。

ピント合わせはライカ SL のライブビュー機能が使える。距離計連動とかレンジファインダー用レンズのややこしい部分を考えなくて済む。ピント調整は目測だがライブビュー機能にはビュー拡大機能があるからサポートしてもらえるし、どうしても更に厳密なピント調整が必要ならば、カメラ本体のサーバ機能を使ってタブレット端末とカメラを連動させればタブレットの画面からライブビューが利用できる。

KIPON

マウントアダプタは KIPON (キポン) 製 を選んだ。

中国企業ですがしっかりとしたものを作っているという評判。しかしネット上の製品評価だと過去にはあまり良い評価ばかりではなく、むしろ製品品質にムラというかばらつきがあったようです。当たり外れがあるという評価で、良いと評価する人もいればダメだこりゃという評価もあり。

さて、実際に実物触ってみないと分からないから買って見ましたが、ライカ SL 用のマウントアダプタに関しては KIPON のマウントアダプタは良いです。幸い二つともハズレは無かった。

ただのリングだけど値段はそれなりにします、しますが、絶対に数が出ないであろうマニアックなラインナップなので値段はあんまキニスンなってこと。自分では作れないしな。

アダプタリングを作成する国産で信頼性の高いメーカもあるのですが、マニアックなものは製品化されるまでのライムラグをどれだけ短縮できるかに尽きるというか、要するに世界でだれよりも速くライカ用のラインナップを全部揃えてやんよ的旺盛な開発意欲には欠けるような気がします。KIPON はその辺り、まだ枯れてないね。自分が欲しくなけりゃこんなん作らないだろうし。

ライカ SL 用 KIPON 製マウントアダプタ実際の使用感とかは、次回。

つづく


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