フリーセルについて

トランプを使ったカードゲームです。日本ではトランプだけど海外ではプレイング・カードと呼びます。


ゲームルールとしての原型は、1968 年のサイエンティフィック・アメリカン誌上で、連載されていた「数学パズル」などが広く好評を博していた著名なコラムニスト、マーチン・ガードナーの記事で紹介された「 C.L. Baker’s Game 」からだと言われています。そこから派生してやがて「フリーセル」が生まれました。最初にコンピュータゲームとして作られたその歴史は古く、1978 〜 1979 年に元祖フリーセルが PLATO システム上で TUTOR という開発言語を使って作られました。

PLATO ( Programmed Logic for Automated Teaching Operations )というのはアメリカ軍の出資を受けて 1960 年代に始まっていたコンピュータを使った学習支援システムおよびプロジェクトのことです。日本ではあまり馴染みのないシステムですが、PLATO computer system の開発に関わったパロアルト研究所はコンピューターサイエンス分野に与えたその功績の大きさから現代も高く評価されています。1979 年にはアップルの創業者である故スティーブ・ジョブズ(マイクロソフトのビル・ゲイツも)がここを見学に訪れて以来、ジョブズのその後の方針に大きく影響を与えたことでも知られています。

話を Baker’s Game に戻すと、カードを実際にシャッフルして毎回並べるのは大変めんどくさいからコンピュータに処理させるには最適だったようです。フリーセルの作者も当時そういう頭があったようです。その後、マイクロソフトのウィンドウズにフリーセル・クローンが付くようになったのですが、全てのゲームパターンでクリアが可能だという触れ込みが実証無しで付くように成ったため、その後オートソルバー(経路探索アルゴリズムなどを用いたフリーセルの解析)が作られるようになり全てのゲームパターンに対して総当りが試みられた結果、幾つかのクリアできないゲームパターンが存在するということが判明しました。