松田一輝 「ドッ硬連」を読んだ

ドッ硬連ってなに?

デジタル化されていた本作品を iPad で読む機会があったのでメモ。

絵柄の古さから 70 年代の漫画かと勝手に思っていたけど、調べたら実際は 85 年〜 89 年にかけての連載だった。週刊少年チャンピオンで掲載されていた作品らしい。

内容は「北斗の拳」+「魁!男塾」

北斗の拳は 1983 年、魁!!男塾は 1985 年とそれぞれ当時の週刊少年ジャンプで連載開始。ドッ硬連はこの二つの作品の影響を…というより露骨に芸風をパクって融合させている。読み進めるとあまりの違和感に「え、なんぞこれ」という感想が思わず出てしまう大変珍妙な作品に仕上がっている。


最初は手探りでなんとなく照れながらパクっていたような芸風だったのが、連載が続くにつれ徐々に悪化し、中盤は主人公の使う拳法がマジ北斗神拳、敵対勢力の使う奇妙な拳法は魁!!男塾、あとちょっとラブコメ的な展開がプラスされ…更に

なぜ敵キャラにカイジが?

福本伸行の漫画に出てくる特徴的な鼻の人が出てきた。すでにややうろ覚えだがこんな感じの鼻をしていたんだ。


fukumoto

名作と言うよりも珍作

あまりに堂々とパクっているので、てっきり北斗の拳と魁!男塾がそれぞれこの「ドッ硬連」をパクッたんですね!わかります!!と思った程だったが、まちがいなく「ドッ硬連」の方が後だったようだ。

カイジ風の鼻をしたキャラが出てきて真面目に北斗神拳の人と真剣勝負を始めた時点で、さすがに自分もこの作品が一体なんなのか正体が分からなくなってきたためようやく検索して詳細を調べる気になったのだが、もしも読む順番がなんかの間違いで逆だったら、「ドッ硬連」をパクッたのが「北斗の拳」と「魁!男塾」だ!!と言われてもその嘘に気が付かないかもしれない。

というわけで、自分限定でいま「ドッ硬連ブーム」が起こっているけど、残念ながら決め台詞らしい決め台詞が主人公を含めた全ての登場人物に無いため、これだと他人と面白さを共有したり盛り上がるためにはいまいち決め手に欠けるらしい。絵も基本は劇画調なのに時々少女漫画風の目をした少女やら、鼻がカイジやら混じっているためシュールなギャグに見えるシーンも混じっているのだが…惜しい。