Clickteam Fusion 3 動向まとめ (2019年9月)


非公式にですが Fusion3(以下 F3) の開発が一時停止されていたことを Yves が言及しています。

参考(clickteam.com):Is fusion 3 dead ?

参考(clickteam.com):Console Conversion Service


Is fusion 3 dead ?

死んでません、しかし開発の一時停止・秋から開発再開という説明が公式フォーラム・スレッドの返信という形で Yves からコメントがあったことを確認。

それによるとゲームコンソール(いわゆる家庭用ゲーム機)向け出力サービスに関連して、やむなく一旦休止という決断だったようです。

F3 開発は一時停止され秋から再開予定。しかし 2020 年 1 〜 4 月(※ Second Semester)頃迄 F3 に関する新しい進捗報告は期待できないとのこと。

※ フランスの3セメスター制で日本の School Term とは違うはず

Yves は Clickteam の最高開発責任者で、F3 の開発にも当然深く関わっていますから彼の発言というのは良いものでも悪いものでも結構重要です。

正直に言ってくれたので個人的には良かったけれど、F3 開発は数カ月停止、秋頃からゆっくり開発再開って発言を Yves が過疎スレで発表というのはさすがにガッカリもしました。

F3 開発一時中断の理由

コンソールエクスポータ絡み、いわゆるゲームコンソールへの出力機能を従来の「エクスポータ」として一般向けに販売する方式を廃止し「Clickteam プロサポート」という有料サービスを代わりに始めたことに由来しているようです。

プロサポートが現在対応しているゲーム機は「Nintendo Switch、Playstation 4、Xbox One」の三つ。

CF25製のアプリを各ゲームコンソールに対応した形に仕上げ、必要ならクリックチームがパブリッシャー業務も努めちゃうよ!という有料サービスです。

Fusion3 & 2.5 Console Conversion Service」は 20th February 2018 に発表されており、F3 は未発売なので実質的に F2.5 と F2.5+ 製のアプリを現在もコンソール向けに出力する作業を請け負っている様子が伺えます。

あるいはパブリッシャー契約を結ぶことによってゲームの販売で得た利益をゲーム開発者と契約した割合でクリックチームも受け取れるようにして、会社の財務改善を図りつつ F3 開発の資金を稼ぐ計画だと思われます。

しかしこのせいで忙しくなったので今度は F3 の開発に手が回らなくなり開発を一時停止。

ゲームコンソールへの出力機能はすなわち F3 の機能に依存しており、既存の MFA ファイルをクリックチームが新しく開発した“Nucleus” Library を利用した C++ ソースコードへトランスコンパイルする役割を現時点でも未発表の「Fusion3」 が果たしています。

つまりどういうことだってばよ!

F3 用に開発された“Nucleus” Library は徐々に実用的なレベルにまで機能性を向上。しかしノウハウが圧倒的に足りないため現在請け負ったゲームコンソール向けの開発作業とかパブリッシャ業務などをこなしながら同時進行で F3 開発ができない。

ただしゲームコンソール向けの出力業務は“Nucleus” Library の完成度を高める多くの貢献があるそうで辞められないし、むしろ F3 の開発を一時停止してでもそっちの業務を一時優先することは理に適っている、そんな理屈。

つまり、われわれは来年まで辛抱。ということ。

異世界転生!?ドラゴン倒して開発資金を稼ぐんです!

「開発にかかるコスト」を「稼ぐ力」が必要な時代、クリックチームが抱えている問題とは、稼ぐ力の圧倒的な不足でしょう。

開発難易度がかつてよりはるかに高度化した結果、買いきり型のソフトウェアを単純に販売するだけではもはや到底に追いつかないほど開発資金を得ることが難しくなってしまっています。そこで近年導入されているのが「サブスク型」ですが、クリックチームはこのサブスク型課金体制への移行による顧客流出をも恐れています。

ゲーム開発初心者向けとして売っているソフトウェアなので、初心者向けにソフトウェアを一定期間レンタルする制度の導入によってどれだけ稼げるかは確かに不確定要素が多いはず。

探せば「無料」も「ライセンスフリー」も両立がある時代。ライバル的なソフトウェアも以前より更に増え、「敷居を下げたゲーム開発ソフト」というパワーワードだけではユーザに対する訴求力不足です。サブスクも顧客の囲い込みにすでに成功している開発会社にとってはいわく魅力的ですが、利用者にとっては導入するまでに「一つの敷居」を超える必要があります。そこで脱落する既存ユーザが多いと新規顧客を得られず既存の顧客まで失うという最悪の結果に陥りかねません。

クリックチームの場合、サブスクを回避しつつ継続的な開発資金を得るためにはコンソールゲームのパブリッシャー業務をやってみよう!→あ、忙しい→F3 開発が止まった。

直近だとこんなサイクルに陥ったようです。

販売形式にも葛藤がチラホラ見え、それでもなんとか作り上げようと言う情念も感じられますが、CF25+ という DLC 販売だけでは当然焼け石に水だったようです。

F3 ではまずコンソール対応を重視?

すでにライバルの多いモバイル対応よりも専用スタッフを用意したコンソール機への対応とパブリッシャーとしての進出及び地位確立に商機を見出しているように見えます。

結果的にコンソール出力機能は F3 でこれまで以上に重視されていますが、一般向けのエクスポータとしては販売予定が無くなりました。

その機能が必要な場合はテクニカルサポートを含めた有料サービスへ加入する必要があります。そこからクリックチームとパブリッシャー契約を結ぶかどうかまでは自由選択のようですが、恐らく販売して得られた利益に対して一定のマージンを払う形になる。要するに「作品の販売」を予め想定した完成水準が求められる。ゆえに「プロサービス」なのです。

ちなみにプロサービスにはモバイルへの対応が含まれていないので、F3 のトランスコンパイル機能を経由してモバイルでの動作に適用された話とか技術とかは、これまで全く話題に出てません。

あるいは CF25 まで利用されているマルチプレイ用のエクステンションおよびサーバープログラムである「Lacewing」は F3 では採用されないという具体的な話も出ました。しかし具体的な代わりとなる SDK や API は 2019 年春頃、これから探すという状況だったらしく、つまりこれもまったく未定。

コンソールへの出力機能以外はほとんどが「絵に描いた餅」に近いような印象。2019 年発表はほぼ絶望的となりました。

総括

  • CF2.5 製のコンソールゲーム移植作業に追われ F3 の開発一時中断
  • 秋から F3 開発再開。2020 年まで新情報は無し

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