ヨミガエリ!CF-R3


荷物を整理していたら CF-R3 を発見。



CF-R3 とは?

OS に XP 搭載したパナソニックンの名機、モバイル用ノートPCである。消費電力が比較的小さく、バッテリモチが良く、重量が1kg程度と軽量で持ち運ぶのに便利、そしてパナソニック名物「くるくるパッド」と、液晶天板にボンネット構造を採用した異常に打たれ強い質実剛健ボディ。この世代迄はファンレスなので HDD を SSD に換えれば静粛性もしっかり。クソ液晶という弱点もあったが色々便利なので、払い下げっぽい中古を見つけたら過去に喜んで購入していたのである。この機種、中古だがやたら頑丈で複数買ったがどれも壊れたことがなかった。

そんな CF-R3 もタブレットが普及しだすと個人的にイマイチ必要無くなり、購入後だいぶ時が経った今でもちゃんと動くが、動作はかなり重く、かつサポートが切れている OS ということもあって安心してネットに接続することができない。

廃棄すべきか悩んだ末、とりあえず Linux を入れておくことにした。搭載メモリが 760 MB まで拡張されているノートPC なので、上手くすればそこそこ動く環境があるかもだから。文章書くための vim を入れておくだけでも役には立つ。

まず何も考えなしに ubuntu 16.04 の 64bit 版 iso をダウンロードし DVD-R へ焼いた。DVD-Drive からブートして Ubuntu インスト完了!……とおもいきや、エラー発生、PAE??

Oh….CPU があかんやつだった。CF-R3 に搭載されたモバイルペンティアムは PAE に対応してないから 12.04 より前のバージョンでなければ公式からインストールできない。

やっぱゴミ化?どうする?

マダ!諦める時間じゃない。

別に Ubuntu の公式リポジトリに拘るわけじゃないからディストリはなんでもいいんやで。古い PC 再生するのに適したディストリを探すことにした。そこで Linux Bean である。

参考:linuxBean (リナックスビーン) 

ubuntu 12.04 LTS の minimal install 版をベースにしたものらしく、現在は LTS 14.04 ベースも配布されている。LTS 14.04 でも良いのだけど今回はあえて LTS 12.04 を選択。

ダウンロード:bean12045-160415.iso

ファイルサイズ、チッサ。700 MB 未満である。DVD-R ではなく CD-R に収まるようだ。iso は公式の ubuntu LTS 16.04 だと倍以上のファイルサイズあるね。ダウンロード後、DVD-R に焼きを入れて、再度 CF-R3 へインストールを試みた。

まず CD-Boot で試す

ブートドライブの変更を CF-R3 の Bios メニューから選択して、起動ディスクを CD/DVD-Drive へ変更後、iso を焼きこんだ DVD-R でブート。すると Bean の起動メニューが現れ、いくつかあるモードからどれか選択して起動せよとのメッセージ。

LinuxBean は必ずしも HDD へのインストールが必要な OS ではなく、非常用のレスキューディスクとしての役割とか、memtest だけを行うことが可能らしいってのを知る。そして Linux (Ubuntu)初心者用として日本語環境も充実させてあるらしい。この辺りはちょっと嫌な予感がある。

DVD-R からの起動および動作は一発順調で、動作は重いけれど基本的なハードウェアのドライバとかは大丈夫っぽい。これなら実用性に問題なさそう。よし HDD に入れるかを決断する。

しかしそこから問題発生

デスクトップにある OS インストーラをクリックせよとあるけれど、クリックしても起動しない。ダメな時はターミナルから起動せよとのことで、ターミナルから起動したらインストーラが動き始めた。

XP と LinuxBean を切り替えてブートできる設定でインストしようと思い、HDD の領域を調整したらそこで躓き発生、領域の確保がえんえん終わらない。放置して一時間後、さすがにおかしいことに気が付き無理やり強制終了させる。そして再起動後、案の定パーティション情報が壊れてしまい、インストールしてあった XP の環境はたぶん絶望的。仕方がないのでブートの選択は諦めて LinuxBean 一択のブート設定でインストしようと試みる。しかし次もパーティション確保の段階でトラブルを起こしてインスト失敗。

再起動三度目の正直でインスト成功。失ったもの = XP環境、得たもの = LinuxBeans が起動できる環境、となった。まぁ XP 使わないからいいんですが、覚悟してなかったら危なかったかもしれない。

プリインストールがある程度揃っている

インスト直後から使えるプリインストールはしっかり揃っている。2ch ビューワーの JD とかは明らかに要らないのだけど、他にもなぜかブラウザは Opera が入っていたり、ディストリを作成した人の信仰がある程度見える内容。この辺りは個人で好みがあるけれど、初心者向きのディストリというより、やっぱある程度 Ubuntu を使っているかもしくは Geek 向きな印象。

動作はサクサク?

さすがにそれはない。これはマシンスペックが低い上、12.04 でも ubuntu はある程度重いから仕方ない。

ドライバは Wine を使ってウィンドウズ用のドライバを動かすことができるようになっているため、これもパフォーマンスを落とすが、動作しないハードウェアを少なくするためには効果的なのだろうと感心スル。

パナソニックは自分たちの製品に独自のドライバを提供しているから、一部ハードウェアキーは旧来と同じには使えないのも仕方がないこと。

あとはタッチパッドの反応がピーキーで、誤動作を起こしやすいことに気がついた。マウス繋ぐのは面倒だからしないけど、タッチパッドの誤動作を今後はなんとかしたい。

とりあえずこんな感じか。XP の時と同様には使えないけれど、一部は XP 以上、そして動作はまぁ XP と同等くらい。セキュリティは向上、無線 LAN もドライバは一発で入ったので、設定もラクラク。本当に Ubuntu 初心者向きかはともかく、LinuxBean はなかなか良い軽量ディストリです。

個人的には vim と LuaKit があれば満足なので、これらが使えるだけでも XP より良い。


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