Superpowers — HTML5 2D+3D game maker!
Scirra が現在 Construct3 （C3）の仕様を絶賛仕込み中だが、その Scirra のフォーラムでも紹介されていたゲーム開発用ツール Sparklin Labs の「Superpowers」がなかなか良い感じだ。
『Superpowers』は現在主にクラウドファンドで資金調達を試みている。ただしフリー（MIT ラインセンス）かつオープンソースな開発環境を目指して作られていて、完成するまで安定的な資金を供給してくれるエンジェルが必要みたい。
参考：Superpowers
C3 も次期バージョンではエディターが Mac、Linuxでの動作に対応する予定で、噂レベルではあるが 3D への対応があるかもしれない。
Superpowers も基本は 2D だが、3D モデルのインポートやシーンの構築などは 3D のワールド内で行われている。HTML5 での動作なので WebGL は必須（ canvas 2D は利用しない）、動作はコードエディタとスクリプトを使った開発で、スクリプトには初期版は CoffeeScript 、ただし今後は TypeScript へ完全移行する。
TypeScript はマイクロソフトが開発した JavaScript 派生の言語で、JavaScript のクソ冗長な書き方を糖衣構文的な手法でもっとマシなものにしてくれる言語という位置付。TypeScript で書かれたソースコードは JavaScript に変換されるため、TypeScript で書かれたコードは最終的に JavaScript として動くというのが特徴の一つ。その他、変数の宣言時にデータ型を指定できる静的型付やクラス定義の簡略化など、こいつは大規模プロジェクトでも使えちゃうよ！的アピールもある。コンパイル時にデータ型のチェックができるのはええな。
開発は二人＋1アーティスト
どっかで見たような最小構成だが、Sparklin Labs もベンチャーなので現在メインの開発は三人体制となっている。
ウェブベースではあるが、将来的には Node-WebKit を使ってネイティブアプリとしてのビルドもできるようになると思う。
3D ゲームの開発環境として今やもてはやされる Unity だが、Superpowers が目指すものは Unity よりも手軽に、そして 2D ゲーム開発環境としては GameMaker よりもパワフルな、そんな開発ツールを目標にしているらしい。
参考：Superpowers — The HTML5 2D+3D game maker (CROWDFUNDING NOW!)
C3と将来的にバッティングする？
コメント欄でも書かれていたが、Construct3 はライバルとして当然意識されるプロジェクトだと思われる。しかし Superpowers はコードエディタが必須の環境なので、どちらかというとやはり GameMaker:Studio の方が危機感持ったほうが良さそうな開発ソフトだと思いました。開発陣が目指すものもおおむねそれだと思われ、ポスト GameMaker 狙い、永遠のライバル設定として Unity みたいな感じか。
YoYoGames から PlayTech に資本が移り GameMaker:Studio もだいぶ出世したけれど、全然安泰では無いのは GameMaker:Studio を使ってみれば分かる。それは 3D への対応が遅れているからという点も含めて。インタプリタとしての GML は覚えやすいけれど、静的型付けを実装して欲しい。
一方、Construct3 が目指すものは Clickteam の MMF2／Fusion2.5 の正当な後継者的位置付けなので、たぶん Superpowers とはバッティングしない（Scirra と Clickteam はバッティングする）。
開発言語使えない人たちが使うためのソフトウェアは常に一定の人気があるけれどニッチな存在だし、開発がツールの専用エディタに依存するため、特有のハードコーディングや仕様を覚えなければいけないので、そのテのツールは開発言語利用者にとってあまり嬉しくはないだろう。
GameMaker:Studio で二作品作ったら Superpowers に移行したい（願望）。
いろんな意味で選択や構成のセンスが良いと感じたのが Superpowers で、GMS2.0 の出来次第では Superpowers は二年後くらいには開発ツールとしては主に海外で結構いい評価を受けて広まりそう。期待している。