物理障害を起こした HDD からデータの完全復旧を確認、Seagate やるじゃない!


テラバイト級の HDD ディスクをなんなく完全復旧してくれた件。


さすがというか、HDD を作った本人だから修復も得意なのだと思う。

参考:データ・リカバリ・サービス/Seagate Rescue プラン

申し込み(オンライン/英語サイト):Seagate Rescue Service

費用は約六万円程度

為替相場によって多少前後するはずだが、送料+ 復旧料金で合計六万以内。この金額には復旧されたデータの入った新しい外付け HDD (シーゲート製)が含まれている。

つまり復旧するデータ容量が大きければ、返って来る時はやはり容量の大きな HDD に入って返って来る分、復旧対象のデータ容量が小さいときよりむしろお得感ある。
8 TB の HDD から復旧対象を 1 TB に絞った場合、1 TB の HDD で返って来る。復旧対象が 5TB だった場合は 5TB の HDD に入って返って来るけれど、1TB も 5TB も料金は同じになる。

ちなみに破損した HDD 本体は返却されなかった(どうしても返却してもらいたい場合は事前に要相談か。ただしその当時、HDD は購入して一ヶ月以内/バルクでもなかったので RMA が効く、そこでデータ復旧後にサービスとメールでやり取りをして、壊れた HDD に RMA を適用してもらった。だから壊れた HDD 自体は返って来なかったが RMA で新しい 8TB HDD は手に入れることができた。つまりデータ復旧 + RMA で 5TB と 8TB の HDD を新しく入手。)。

国内の復旧業者は価格見積もり 50 万以上から

今回は衝動的に買ってしまった 8 TB HDD の復旧だったが、復旧対象のデータ容量はだいたい 5 TB 程度。日本国内の HDD 復旧業者は見積もり時点で明確な金額を提示できなかったが、最低でも 50 万以上からでしょうという話だった。

シーゲートのデータリカバリーサービスは料金一律、見積もり不要。

物理障害からの復旧については、会社のデータ以外だったら海外に復旧依頼した方が圧倒的に安い時代に突入したことを確認。諦めていたテラバイト級データを数十万〜百万円単位の出費も厭わず復旧を試みる人は少ないだろう、しかし数万円で直してもらえるなら利用したい人は多いと思う。

今回利用したサービスは本来、欧州向け

ちなみにこのサービスは基本的に日本向けではなく、主に欧州などを対象としたサービスとなっている。

復旧したデータが Seagate の新しい外付け HDD に入って送られて来たが、外付け HDD 付属のアタッチメントも欧州向けしか付属せず、コンセントの形状が日本とは違うので AC アダプタを日本のコンセント口に接続できなかったのには思わず笑ってしまった。

それでも価値あるサービスであると評価

とりあえず大容量 HDD を万が一にも復旧したいような事態が発生したら、物理障害は国内サービスに頼ると50万円以上かつ全データ復旧は約束されないし容量に応じ従量制料金体系。

要するに天井知らずの請求が来る可能性を最初から臭わせてくる。その請求の正当性も検証ができない完全な相手側の言い値である。

そしてこれで商売が成り立ってしまっているため彼らも現状を変える気は無いと思う。基本的に法人か公人向けサービスなのだろうが、とても個人で利用できるような代物ではない。

シーゲートのデータリカバリは料金一律

Seagate Data Recovery Service の場合は料金一律、復旧出来なかった場合は請求が無いことを確約されていて、料金一律なので大容量データの復旧依頼の方が実質お得。

HDD 以外にも DVD や SSD などあらゆる記録媒体に対応、Seagate 以外のメーカー製でも対応してくれる。

衝撃的だったのは国内で復旧には実質天井知らずと見積もり出された物理障害でも Seagate は見事に復旧してくれた点。いくらなんでも 8TB はでかすぎるだろと思ったが、彼らは見事やってくれた。まぁ買って一ヶ月経たずに壊れた製品作ったのも彼らなんだけどな

以前からこれは思っていたのだけど、ちゃんとした技術と施設を持ったところならデータ容量の大小に関わらずある程度のレベルまでの物理障害なら料金一律でもサービスとして成り立つっぽいということ。

物理障害にも重度・軽度はあって、基本的に国内のデータ復旧業者は物理障害の評価を一括して重度であると診断し高い見積もり料金を出す傾向がある、そんな気がした。だがそんなんありえないというか、RAID ならともかく単体で使っていたものが突然死した場合、最近の HDD だったら復旧可能性は本来高いはずなんやで?

国内では Seagate のようなサービスをまだ期待できるところはないけれど、HDD を実際に作る技術を持つところがこの手のデータ復旧サービスを直接手がければ、製品に対する信頼も上がる。データを保存するストレージを売りつつ、万が一の障害に備え、データ復旧サービスもセットの商売というものが成り立つかもしれないということだ。

Seagate は壊れやすい HDD(失礼) と完全復旧という見事なダサイクルではあったが、個人的には今回のトラブルを通じて同社のストレージに対する信頼はむしろ上がった。どこの会社の製品買っても事故・故障はありえるから、その後リカバリーができてサービス料金も個人で利用できるくらい控えめになっているなら、むしろアリだろこれは。

年々大容量化する一方の記録媒体に対して、データの復旧はものすごく困難なものという「常識」があるから、データ復旧業者も高額な請求をしてくるしそこに素人知識で対抗するのは難しい。けれど、今後はなんらかの革命が起こり料金は一律・個人でも利用できる価格でというデータ復旧サービスが国内でも利用できるようになることを期待している。

多少の予定外な出費はあったけれど、そのようなサービスがすでに海外では実現できていることを自ら確認できたことが今回大きな収穫だった。

もしもこの記事を呼んでいる人の中に HDD の物理障害で今本当に困っていて、しかもすぐ用意できる金があまり無いのなら、Seagate Data Recovery Service はきっと検討の価値あるサービスだということを伝えたい。

ただ、往復の輸送で時間かかるのがネックになってしまうため、ビジネスのデータだと時間かかりすぎてダメ。復旧自体は速かったけれど輸送で往復二週間程度かかるのがネックとなる。


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